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🗂️ シェープファイルのつらみ

行政オープンデータで直面する現実的な問題と解決策

よく見かける問題の三重苦
PRJファイルなし 座標系不明 Shift-JIS
= データ利用の大きな障壁 😵

📋 背景

🏛️自治体オープンデータの現状

  • 多くのデータがシェープファイル形式で配布
  • 仕様上の不備により扱いづらいケースが頻発
  • 利用者が手作業で修正作業を強いられる
👤
2025年8月5日 10:36
行政のオープンデータのとあるシェープファイルが
・prjファイルがない
・座標系が書かれてない
・エンコーディングがShift-JIS
の3連コンボで大横転しました
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👁️ 18.5K

💬 コミュニティの反応

📈大きな反響

このツイートは18,500回以上表示され、多くのGIS関係者から共感と知見が寄せられました。

👨‍💻 GISエンジニア
"あるある過ぎて泣ける...特に自治体のデータは古いシステムで作成されてるから、この三重苦は本当によく遭遇する"
🏢 行政関係者
"庁内でもこの問題は認識していて、新しいシステムではUTF-8とPRJファイル出力に対応予定です。ただ、過去のデータ修正は...😅"
🎓 大学研究者
"研究室の学生にいつも説明してる問題。QGISで座標系を推測する作業、もはや必修科目状態"
💡 GISコンサルタント
"クライアントに「なぜGeoJSONやGeoPackageが良いのか」を説明する際の完璧な事例。この記事を共有させてもらいます!"

→ 業界全体で共通認識されている課題として浮き彫りに

🗃️ シェープファイルとは

📚基本情報

  • ESRI社が提唱したベクター形式の地理空間データフォーマット
  • 1998年に仕様が公開され、25年以上使われ続けている
  • 現在も行政オープンデータで最も多く見られる形式
  • GIS業界では事実上の標準フォーマット

📝正しい表記

✅ 正しい
「シェープファイル」
「Shapefile」
❌ 誤り
「Shapeファイル」
「ShapeFile」

🧩 ファイル構成

📁必須ファイル(3つセット)

.shp
図形の情報
.shx
図形のインデックス情報
.dbf
属性データ(dBASE IV形式)

📎補助ファイル(任意だが重要)

.prj
座標系定義(WKT形式)
.cpg
文字コード情報
.sbn/.sbx
空間インデックス
⚠️ 1つのデータでも複数ファイルが必要!

❌ 問題1: PRJファイルがない

🤔なぜ起こる?

  • シェープファイル仕様書では.prjは必須ではない
  • CAD由来システムでは座標系を内部処理で隠蔽
  • 古い業務システムは.prjファイルを出力しない設計
  • ESRI独自拡張のため、他社システムで対応不完全

😵利用者への影響

  • 座標参照系が判断できない
  • 地図上で正しい位置に表示されない
  • 他のデータと重ね合わせができない
  • 利用者が座標系を推測・特定する必要

💡 本来は配布元が座標参照系を明記すべき

🔤 問題2: 文字コードがShift_JIS

📚技術的背景

  • .dbfファイルはdBASE IVフォーマット
  • 仕様書に文字コードの定義なし → ソフトウェア依存
  • 従来のファイルはShift_JISで作成されることが多い

⚖️Shift_JIS vs UTF-8

項目 Shift_JIS UTF-8
日本語対応 多くの文字を格納可能 バイト数制限で文字数少ない
国際化 日本語環境に特化 世界標準・多言語対応
現代的対応 レガシーシステム Web・現代OS標準

ArcGIS 10.2.1以降:UTF-8がデフォルト

🛠️ QGISでの対応策

🗺️座標参照系の割り当て

  1. レイヤプロパティ → ソース → 設定されたCRS
  2. 正しいCRS(例:EPSG:6668 JGD2011)を手動指定
  3. 経験則:その地域の平面直角座標系を試す

🔤文字コードの指定

  1. レイヤプロパティ → ソース → エンコーディング
  2. UTF-8で文字化け発生 → 「Shift_JIS」に変更
  3. 属性テーブルで文字化けが解消されることを確認

💾再保存の推奨

正しく設定後、以下のフォーマットでエクスポート:

  • GeoPackage (.gpkg) - 単一ファイル、制限なし
  • GeoJSON - Web親和性が高い

🚀 まとめ・推奨フォーマット

📄GeoJSON

  • JSONベースのベクタデータフォーマット
  • Web アプリケーションとの親和性が極めて高い
  • 人間が直接内容を確認・編集可能

📦GeoPackage (.gpkg)

  • OGC国際標準フォーマット
  • SQLiteベース → 単一ファイルで管理簡単
  • ファイルサイズ制限なし、3Dデータ対応
🎯 結論:シェープファイルはGIS黎明期の功労者だが、
現代的なフォーマットへの移行で
より使いやすいオープンデータを実現